太りたい女性が知っておきたい過敏性腸症候群(IBS)とは?
「太りたいのに、食べるとお腹が痛くなる」
「体重を増やしたいと思って食事量を増やすと、下痢や便秘になってしまう」
「ガリガリな体型を変えたいのに、お腹の調子が悪くて思うように食べられない」
痩せ型の女性で上記の様な状態では、単純に食事量を増やせばいいとは限りません。
食べると腹痛やお腹の張り、不快感が出る、あるいは便秘と下痢を繰り返してしまう。
そうなると、食べること自体がストレスになり、「またお腹が痛くなるかもしれない」と食事を避けるようになってしまうこともあります。
その結果、必要なエネルギーや栄養素を十分に摂れず、体重を増やしたくても増やせないという状態につながる可能性があります。
今回のテーマは過敏性腸症候群(IBS)です。
過敏性腸症候群(IBS)は、検査で明らかな器質的な異常が見つからないにもかかわらず、腹痛や腹部不快感とともに、下痢や便秘などの排便異常を繰り返す状態です。
症状の現れ方には個人差があり、下痢が中心になるタイプ、便秘が中心になるタイプ、下痢と便秘を繰り返すタイプなどがあります。
ここで大切なのは、お腹の症状がある=IBSと自己判断しないことです。
腹痛、下痢、便秘、腹部膨満などは、さまざまな消化器疾患でも起こります。そのため、症状が続いている場合や強い症状がある場合には、まず医療機関で適切な診断を受けることが大切です。
そしてIBSは、単純に胃腸が弱いという一言で片付けられるものでもありません。
腸の動き、腸の知覚過敏、食事、腸内細菌、ストレスなど、複数の要因が関係していると考えられています。
そのため、太る方法を考えるときも、とにかくカロリーを増やすという考え方だけではなく、お腹の状態にも目を向ける必要があります。
IBSが疑われるなら食べる量だけを増やしてはいけない
「体重増やしたいから、無理してでもたくさん食べよう」
これは、すべての痩せ型女性に当てはまる方法ではありません。
特に食事をすると腹痛、下痢、便秘、張りなどが起こる場合は、単純に食事量を増やすのではなく、なぜ食べるとお腹の症状が出るのかを考えることが重要です。
IBSの改善では、食事内容の見直し、生活習慣の改善、ストレスへの対処など、複数のアプローチが検討されています。
その中でも食事面でよく知られているのが、前回の投稿でもお伝えした低FODMAP食です。
ただし、ここで注意してほしいのが、低FODMAP食を自己流で徹底的に続ければいいという意味ではないということです。
低FODMAP食は、IBSの症状を改善する可能性がある一方で、食事制限が広がりすぎると、必要な栄養素やエネルギーを十分に摂れなくなる可能性があります。
もともと痩せ型で、「太りたい」「体重増やしたい」と考えている女性にとっては、特に注意が必要です。
つまり、IBSが疑われる痩せ型の女性の増量では、何を食べるかだけではなく、何なら症状を悪化させずに食べられるのか、必要な栄養をどう確保するのか、、食事に対するストレスをどう減らすのか、まで考えることが大切なのです。
IBSだと太れない理由
では、IBSと体重増加にはどのような関係があるのでしょうか。
まず考えられるのが、食事量の不足です。
太るためには、基本的に身体が必要とするエネルギーを継続的に確保する必要があります。
しかし、食後に腹痛や下痢、腹部膨満などが起こると、食べると調子が悪くなるという事を繰り返すことになります。
すると、無意識に食事量を減らしてしまったり、食べることへの不安が強くなったりすることがあります。
特に「またお腹が痛くなるかも」と考えるようになると、外食や人との食事を避けたり、食事そのものを楽しめなくなったりすることもあります。
これでは、体重を増やす方法を実践しようとしても長続きしません。
さらに、痩せ型の女性の中には太るために無理して食べるという方法を選ぶ人もいますが、急激に食事量を増やしたことで腹部の不快感が強くなれば、さらに食べられなくなる可能性があります。
だからこそ、健康的に太るためには、一気に大量に食べるという方法ではなく、自分の身体の反応を確認しながら食事を組み立てていくことが重要です。
FODMAPはIBSの症状改善に役立つ可能性がある
前回の投稿でも出てきたFODMAPとは、腸で吸収されにくく、腸内で発酵しやすい特定の糖質群の総称です。
代表的なものとして、発酵性のあるオリゴ糖、二糖類、単糖類、ポリオールなどが含まれます。
これらを多く含む食品を摂ることで、IBSの人では腹部膨満感や腹痛、下痢などの症状が悪化する場合があります。
そのため、低FODMAP食はIBSの症状改善を目的とした食事療法のひとつとして研究されています。
実際に、低FODMAP食によってIBSの症状が改善する人がいることが報告されています。
ただし、ここで非常に重要なポイントがあります。
低FODMAP食をやればIBSが完治するということではありません。
また、すべての人が同じ食品で症状を起こすわけでもありません。
そのため、FODMAPだから全部ダメと考えて食品を大量に制限するのではなく、自分の症状との関係を確認しながら進めることが重要です。
特に、もともと食事量が少なく、ガリガリ体型で「体重増やしたい」と考えている女性が自己流で多くの食品を制限すると、さらにエネルギー不足になる可能性があります。
健康的に太ることを目指すのであれば、症状を抑えることと、必要な栄養・エネルギーを確保することの両方を考えなければなりません。
発酵食品とIBSの関係
「腸内環境を整えるために発酵食品を食べましょう」
このような話を聞いたことがある人も多いと思います。
ヨーグルト、納豆、キムチ、漬物などは、日常の食生活にも取り入れやすい発酵食品です。
ただし、IBSの女性にとって発酵食品なら何でも食べればいいというわけではありません。
食品によってFODMAPの量は異なりますし、同じ食品でも人によって症状の出方は異なります。
そのため、腸に良いと言われているからという理由だけで大量に食べるのはおすすめできません。
大切なのは、自分のお腹に合っているかを確認することです。
太りたい女性が健康的に体重を増やす場合も同じです。
太るために良い食品を探すだけではなく、自分の消化器症状を悪化させず、継続して食べられる食品を見つけることが重要になります。
IBSではストレスとの関係も無視できない
そして、IBSを考えるうえでもうひとつ重要なのがストレスです。
例えば、
「仕事のプレッシャーが強いとお腹が痛くなる」
「人前に出ると急にトイレに行きたくなる」
「緊張すると下痢をしてしまう」
このような経験がある人もいるのではないでしょうか。
腸と脳は密接に関係しており、心理的なストレスが消化管の働きや症状の感じ方に影響することがあります。
だからこそ、食事だけを見ていても改善につながらないケースがあります。
もちろん、ストレスがIBSの唯一の原因というわけではありません。
しかし、「食事を変えているのにお腹の症状が良くならない」という場合には、睡眠、生活リズム、仕事、人間関係、食事に対する不安など、自分が抱えているストレスにも目を向けてみることが大切です。
ストレス対策としては、睡眠時間を確保する、生活リズムを整える、適度に身体を動かす、リラックスする時間を作るなど、基本的な生活習慣を見直すことから始められます。
また、呼吸法やマインドフルネス、瞑想などがストレス対策の選択肢になる場合もあります。
痩せ型女性が体重を増やすならお腹の状態も確認しよう
ここまで読んで、「結局、太る方法って何なの?」と思った人もいるかもしれません。
健康的に体重を増やしたい女性にとって、重要なのはとにかく食べることではありません。
必要なエネルギーと栄養素を確保しながら、身体が受け入れやすい食事を継続することです。
しかし、IBSのような消化器症状がある場合は、まず食べられる状態を作ることが大切です。
お腹の症状を我慢しながら無理に食事量を増やすのではなく、自分に合った食事量や食品、食事のタイミングを探していく。
そして必要に応じて医療機関などの専門家に相談する。
これが、長期的に健康的な体重増加を目指すうえで重要になります。
「太りたい」という気持ちが強いほど、無理をして食べようとしてしまうものです。
しかし、本当に目指したいのは、単純に体重計の数字を増やすことではないはずです。
健康的に体重を増やしながら、女性らしい身体のラインを作り、バストアップやヒップアップにつなげていくこと。
そのためには、食事量だけではなく、消化器の状態、生活習慣、ストレス、運動まで含めて身体全体を見ることが大切です。
太りたいのに太れないと悩んでいる痩せ型女性こそ、まずは自分の身体が出しているサインに目を向けてみてください。